Appleは10月31日に新型のチップと搭載した製品としてMacBookやiMacを発表、予約の開始と発売を予告しました。
M3チップの予告はiPhone15シリーズ以前から予測されており、公式発表が待たれていました。
新型SoC M3シリーズ
新型のチップ(SoC)であるM3シリーズは基本モデルのM3を始めPro、Maxモデルのラインナップとコア構成は以下。
M3 8コア(4/4)CPU+10コアGPU
M3Pro 12コア(6/6)CPU+18コアGPU
M3Max 16コア(12/4)CPU+40コアGPU
※CPUはコアの構成として、高性能なコアと電力効率の良いコアを組み合わせる形を取っており、これは数年前よりコンピューター製品でもCPUでは仕様のトレンドとなっています。
M3シリーズの概要
M3シリーズは基本的に一般的なコンピューター製品らしい性能向上を続けていますが、近年特にGPU(グラフィックス)性能の向上に力を入れている印象です。
背景としてはインテルCPUを搭載していたMacで利用が可能だったハードウェアGPUがAppleシリコン(M1)採用以降は利用できない状況となっており、3D映像やビデオ編集のようなクリエイティブ用途やゲーム用途へは他社に比べて不向きな状況となっていました。
AppleはGPU性能の強化と共にゲームへの適応やクリエイティブ方面への使い勝手の向上をアピールしています。
GPUの性能強化
Appleは発表においてGPUの性能進化としては、前世代であるM2より公称で最大1.8倍程度のパフォーマンスが発揮できると発表しています。
前世代のM2シリーズ、過去のM1Proといった製品の比較関係を元に推定するとM3の10コアGPUでもM1Proと同等以上、最大でM2Proの8割程度の性能が期待できるかもしれません。
また、iPhone15Proに続きレイトレーシングに対応している事をアピールしています。
レイトレーシングは特にコンピューターグラフィックスでもゲーム内での照明(光と影)の演出とシミュレーションのことで、従来の方法に比べてよりリアリティのある表現ができる一方で処理には非常に高い負荷がかかるシステム。
ゲームやアプリが対応していない事も多いですが、レイトレーシングの照明処理が可能であれば高性能の証明になります。
CPU性能も例年ペースで向上
ついで、CPUの性能向上についても、高性能コアと効率コアの双方でそれぞれアピールされており、高性能コアでは最大15%の向上、効率コアでは30%程度の向上としています。
電力効率の向上もアピールしており、電力効率は同じ処理性能を発揮する場合に必要な電力が半分程度としています。
性能を1発揮するために必要な電力がより小さい、という観点でワットパフォーマンスと言われ、より低い電力で性能が発揮できるほど、合わせて発熱も抑えられるため実用上では快適さも向上します。
製品の構成
M3シリーズを搭載するノートPC製品として、アップルは14インチと16インチのサイズと新色としてスペースブラックをラインナップしていますが、13インチサイズのモデルが無くなっています。
デザインの変化としてはこれまでMacBookProの特徴の一つだったTouch Barも廃止となりました。
Touch Barはキーボード上部にタッチ対応の小型ディスプレイ機能であり、変換予測の候補や画面の明るさ、音量などの操作ショートカットとして機能していました。
実用上ではDeleteキーを押すときにSiriを起動しようとするなど誤操作の原因となる事も合ったため、コストの削減と合わせてTouch Barの廃止は機械として面白みは無くなりますが歓迎という人も居そうです。
バッテリー駆動時間ではM3搭載の14インチモデルで22時間(M3Proは18時間)
M3ProやM3Maxを搭載していても16インチでは22時間確保されています。
価格ではドル価格では少し値下げをアピールしていますが、国内では円安の影響があり、最小構成での価格は以下、
M3搭載モデルで1,599ドル から(国内販売価格では248,800円)
M3Pro搭載モデルでは2,499ドルから(国内販売価格:328,800円)
となっています。
まとめ
性能の向上、とくに今年初頭のWWDCでの発以来から続くゲーム方面へ向けた性能や機能上でのアピール、GPU性能の強化が印象的な他、性能が向上しつつもドルベースで見ると価格が下がっているなど魅力的です。
しかし国内販売価格では円安という影響の存在感を強く印象づける内容となっています。
旧モデルでもMacBookシリーズは小型ノートPCとして高性能であるため、下取り等の価格が崩れにくいのがApple製品のメリットです。買い替えをお考えの際は当店の買い取りサービスもご検討ください。
文:玉谷