スマホが遅い時の対処方法！　回線速度の目安もチェック

スマホの回線が遅いと不便ですよね。
こんな時の解決には原因の特定やその場で可能な対処法を知っておくと便利かもしれません。
知らないままトラブルに遭遇する前に少し予備知識を備えて置きたいですね。

とりあえず試せる解決法

１．モバイルデータ通信のON　OFF

スマートフォンの「設定」からモバイルデータ通信の使用設定が確認できます。
ON、OFFの切り替えが出来ていない事もあるかもしれません。

「モバイルデータ通信」とはSIMカードの契約回線を利用するデータ通信（ネット回線）利用のこと。
Wi-Fi環境でもWi-Fiの調子が悪い場合はデータ通信で回復する場合も有ります。
契約の内容次第ではモバイルデータ通信容量が少ない為、ONとOFFを手動で切り替えるようにしている場合も有るのではないでしょうか？

２．SIMカードの抜き差しと状態の確認

SIMカードが何らかの拍子に正常に読み込まれていない可能性も有ります。
端末のトレーを開く道具は必要ですが、一度抜き差しやゴミのクリーニングを行うのも良いかもしれません。

※SIMカードも小型コンピューターと言って良い電子部品の集まりです。水没は避けて下さい。

これらはとりあえずその場でやってみて、改善すればラッキー！　というぐらいの割り切りをお願いします。

通信がスムーズに行えない場合、その前後の状況や端末と関係する機器の問題等の切り分けを行う必要があります。
逆にいえば、単にスマホのネット回線がうまく使えないからと言ってスマホそのものが故障しているとは限らないということです。　すこし面倒ですが、原因を探す必要があります。

通信が遅くなる理由や原因は端末だけじゃない？

スマホやタブレットで回線が重いと感じる時はその端末が理由ではない事も多くあります。
問題を確認する為には通信速度の計測サービス等を使用することが出来ますが、信頼できるアプリやwebサービスを使用する様に注意が必要です。

関連サイト：インターネット回線速度の確認サイト（Fast.com）
※Netflixサーバーへのアクセスを行い状況をテストしており、一定の信頼性があります

必要な通信速度の目安

回線速度の目安は、用途や環境次第な面もありますが一般的に語られるものとしては次の通り。

テキストメッセージ（SMSやメール）：〜1Mbps

SNSやwebニュースサイトなど：〜10Mbps

対戦型オンラインゲームなど:30Mbps〜100Mbps※1

webコンテンツ（動画視聴）：10〜100Mbps※2

※１.オンラインゲームの形式次第で理想的な通信速度に幅があります。
　ストリーミングによるクラウドゲーミングやオンライン対戦ではより早い回線速度と安定性が望ましいものの、ゲームのオンライン機能を使用する場合、回線のデータ量はそれほど必要では有りません。

※2.動画は画質によって一秒あたりのデータ量が変化します。
　より高画質な動画や配信であればより高速な回線速度が必要になります。また配信サービス側で端末や回線に合わせて動画の設定が調節される事があります。
高画質な動画はそれだけデータ量を消費してしまう事にも注意が必要です。

関連ページ：Youtubeへの動画アップロードでの設定推奨値
ビットレートは秒間データ量であり、推奨設定値から逆算して動画データの「重さ」と必要な速度が推察できると考えられます。あまりに高画質で重い動画をアップロードしても再生する時に負担重く、動画の評価を落とす可能性があります。

アップロードとダウンロード

回線には２つの回線速度数値が存在します。

ダウンロード
インターネットにアクセスし、情報やデータがインターネットから端末に転送される時の秒間データ量のこと。
動画視聴やSNSなどのwebメディアへのアクセスなど大半の場面で必要になります。

アップロード
こちらはダウンロードとは逆で、端末からインターネットへデータを送信するときのデータ通信速度になります。
SNSへの動画アップや写真の投稿で時間がどの程度掛かるか、という事。写真や動画以外にもオンライン通話機能でも関わってくる物です。

障害はどこで起きている？

繋がりにくい場合は、原因を上流から判断していくと良いでしょう。
Webサイト（アクセス先のサービス）の問題、もしくは回線業者（ケータイキャリアなど）の問題である可能性がまず疑われ次にネット機器（LANやWi-FIルーター）の問題や周辺環境（地下やコンクリート壁）、最後に端末と考えると良いでしょう。

Webサイト（サーバー）
webサービス側で利用しているサーバーやデータセンターの品質、メンテナンス状況はまちまちです。
唐突に障害が発生し、アクセスし辛い場合やセール等のイベントによりアクセスが殺到している可能性も有ります。
障害やメンテナンスの場合はSNSなどで連絡や告知がされている場合があるので確認しても良いかもしれません。

Wi-Fi（ルーターとネットワーク構成）
Wi-Fi環境であれば無線Lanルータやケーブルが原因である可能性が高くなります。
接続ケーブルが抜けていないかの確認の他、接続している機器を一度再起動させると解決する可能性があります。
古い機器の場合はもともと回線速度がそこまで速く無く、Wi-Fiの電波速度や強度も低い可能性もあります。
Web広告や動画の高画質化、家族が同時にアクセスして使用量が増えてしまった、というライフステージの変化も原因である可能性があります。

キャリアやプロバイダ回線
格安キャリアの場合、平時は十分な回線速度が出ているにもかかわらず時折回線が切れる、速度が低下するといった現象が発生する場合があります。地域間で回線の処理能力に差がある事も。
最近ではとある光回線業者がパケットロス（通信データの瞬断現象、ぶつ切りな通信）の発生が激しく炎上した事も……。

通信状況が不安定な場合、利用回線で不具合の情報が出ていないかSNSなどで類似の投稿を探す等情報収集を行うと良いかと思います。
類似の報告や障害情報が無い場合は回線以外の可能性が高まります。

通信障害の構造

通信障害でも特に一般的な物としては大勢の人が同時に回線を利用した時に起こる輻輳と呼ばれる現象。
これは交通事情における渋滞に似ている現象です。
アクセスするサーバーや回線、周波数には帯域というものがあり、これを道路の車線や幅として、アクセスする人はそのまま交通量として例えることが出来ます。
大量に利用が重なった結果としてつながり難くなると、利用者は再読み込みや繰り返しアクセスを試すような通信を繰り返しさらに状況の悪化が進んでしまう事になり障害が発生します。

端末の故障が原因ならどうする？

特にスマートフォンの場合通信機能に問題がある可能性はそれほど確率としては高くは有りません。
しかし、一定数の割合で初期不良は出てしまう事があり、その他にも経年による機能の突然死や故障の可能性も有ります。
通信不具合の原因を探るときに、消去法で端末に問題があると判定する他無い場合もあります。

端末の故障が原因で通信やSIMが使えない場合、購入したお店へ状況を伝える事で対応してもらう必要があります。
端末以外が原因である可能性の調査も平行で進め、状況をお店等へ詳しく伝えるとよりスムーズな問題解決が期待できるかもしれません。

おまけ：端末の回線速度テスト結果

当店のスタッフや中古端末で回線のテストを行ってみました。
SIMカードは同じもの（IIJmio）を使用しているので、端末の性能が通信速度に与える影響がわかる……かもしれません。
通信速度は環境や利用者が集中している時間であるかどうか等も関わると考えられるため、参考程度に確認して下さい。

iPhone7

端末自体は少し古く、今となっては……という感じですが、Webやちょっとした動画では十分な速度となっています。

あえて気にする点はレイテンシ、ロード済みの数値がよく有りません。
レイテンシは情報の応答速度。データ通信要求からデータが送られるまでの待機時間。
特にロード済み項目はより混雑状況下での応答速度となります。

iPhoneSE2

iPhone7に比べて大きな差は有りません。

SoCに通信関係の処理装置も搭載されている事から、SoCによって通信速度も変化すると考えられますが、iPhone7とSE2においては大きな差は有りませんでした。

原因としてそもそも回線速度が遅い可能性があります。
格安SIM回線では安定性や回線速度が比較的遅い可能性があります。

Phone14Pro

iPhone7、SE2に比べて二倍近い速度を出しました

48Mbpsはオンラインゲームがとりあえずストレス無く遊べると考えられる数値を上回っています。
ワイヤレスネットワークでは常に一定の回線速度とは限らない為、狙いより多少上回った数字の方が安心できます。

おそらくProMaXも同等の速度と思われます。

関連外部記事：iPhone14Proは前世代に比べて速度が向上

Wi-Fi 回線：iPhoneSE2

　最後に参考としてiPhoneSE2のWi-Fi環境下での回線速度を確認。

SIM回線に比べ格段に数値が上昇しています。
回線速度以外でもアップロードやレイテンシも向上しており、回線の質ではSIMの回線とは比べ物になりません。

端末の回線利用ではWi-Fi回線とSIM回線の使い分けが重要だとわかります。
特にオンライン対戦ゲームではWi-Fiがより有利といって良いでしょう。

ちなみに今回の記事のヘッダー画像はMacのWi-Fi回線速度の結果で、PCの回線がさらに早い事が伺えます。