6月も終わりいよいよ7月の夏本番へと突入していますが…
夏はやはりレジャーシーズンということで車での外出、またお出かけ先での長時間の駐車が増えると思いますが、この時注意しないと思わぬ事故が発生する可能性があります。
夏場はスマホやモバイルバッテリーの車内放置が危険?
いまや外出に欠かせないのがスマートフォンやタブレットといった電子機器端末ですが、これらはふとしたきっかけで危険な事故を引き起こす可能性が存在します。
車両火災事故の原因となるバッテリー
例年、車両火災事故の例としてモバイルバッテリーが火災の原因となった報告が上がっています。
モバイルバッテリーは内部にリチウムイオン電池を採用しており、この電池が劣化や衝撃、高温によって火災を引き起こしており、夏場の外出の際には車両内へのモバイルバッテリー等の電池搭載製品を放置するのは避けましょう。
製品評価技術基盤機構では、2022年に起きた駐車中の車両火災事故の事例を紹介しており、事故においては座席にモバイルバッテリーをしばらく放置していたところ発火。シートなどを焼損したとの事。
原因の一つとして当日の気温が30℃であり、高温の車内放置が原因の一つと推定しています。
火災の原因となるモバイルバッテリーはリチウムイオン電池を採用していますが、リチウムイオン電池はスマートフォンを初め幅広いモバイル機器で採用されています。
火災の原因がリチウムイオン電池である以上、スマートフォンなどモバイル機器でも同じ危険があるといえます。
とくにスマートフォンは使用による劣化やアプリ使用や急速充電機能などもあり発熱しやすく、場合によってはバッテリーと同等以上に火災の可能性を疑う事ができます。
通常、持ち歩く限りでは外気による冷却が行われる他、異常な過熱にはシャットダウンを行う等の安全機能がありますが、高温となる状況(夏の車両内部など)では外気による自然冷却は期待できず、危険が高まります。
関連資料:夏の事故3選(独立行政法人 製品評価技術基盤機構)
関連記事:夏場に増えるリチウム電池の火災 スマホなど「車内に放置しないで」(朝日新聞)
関連記事:スマートフォンの電池が火災の原因に?(京都消防局)
車内温度と電池の危険温度
バッテリーの熱暴走メカニズムについては調査が行われています。
以下は一般的な電池の形状をしたリチウムイオン電池における熱暴走メカニズム。
リチウムイオン電池は温度が80度以上になると内部の電極と電解液が反応し、140℃を超えることで電極のショートを防ぐためのセパレーターが融解してしまい、電池内部で短絡が発生、さらに200℃を超えると内部の素材が熱により分解し酸素放出、帰化した電解液と共に燃焼、600℃を超えると使用されているアルミ素材が融解する他、最終段階ではテルミット反応まで発生し、1000℃以上の高温となります。
熱暴走の初期段階である80℃は一つの安全のための閾値して参考にできそうです。
そして、夏場の車内温度についてはJAFによる報告では79度(ダッシュボード内)の記録があり、端末やバッテリー自体の発熱がある場合は熱暴走の初期段階を引き起こす80℃にも到達する可能性があります。
重ね重ね、高温環境での使用にはご注意ください。
参考資料:リチウムイオン電池の熱暴走メカニズムと高安全性技術(公開:J-STAGE)
関連資料:真夏の車内温度(JAFユーザーテスト) JAFによる検証
バッテリー火災を防ぐための心がけ
突然の火災では消化も難しく、やはり事前に火災を防ぐ心がけが大切です。
使用においては次のような点に注意すると良いのではないかと思います。
1.落下などによる破損が目立つ場合は使用を控える
バッテリーの直接的な発火原因にはショートが挙げられます。
ショートを引き起こす原因は物理的な破損や変形が理由になる事もあり、外観で破損や変形あるとき、内部においてバッテリーの変形がショートを引き起こす可能性があります。
2.充電中の端末やモバイル製品に熱がこもらないか
端末の高温の原因は本体自体の発熱はもちろんですが、排熱がうまく出来ていないことにも原因があります。
車両火災においては車両内が高温となり、端末の排熱が行えなくなっています。
布団に埋もれた状態での充電で充電口が溶けるといった話やカバンの中で高温となり燃えるといった話があります。
充電時や使用時には排熱にもすこし注意が必要です。
3.古い端末は一度バッテリー交換を行う
バッテリーは充電を繰り返すと劣化していきます。
充電の速いが早いと感じるならある程度バッテリーが劣化していると言え、そのような場合には早めに交換知てしまうのも良いかもしれません。性能の回復と同時に安全も確保できます。
公式修理の他、最寄りのスマホ修理のお店でも交換してもらえます。
宣伝にはなりますが、当店の姉妹店であるスマホ堂ではバッテリー交換を始め修理や端末の販売も行っています。
お住まいの近くに店舗がありましたらぜひご利用くださいませ。
その他、不要な端末であれば処分してしまうのも手です。
処分には家電量販店などでの回収サービスを利用する方法がありますが、電源がつく状態の端末であれば買い取り店へ一度査定依頼を行うのも手です。
当店でも買い取り対象のiPhoneの場合バッテリーが劣化している場合でも買い取りの対応を行っています。
※バッテリーの劣化のみを理由とした減額は有りませんが、劣化に伴う膨張や併発した破損箇所がある場合は別途減額となる場合があります。
文:玉谷