スマートフォンをどんな所でどんな時に使うか? というと色々な場所でいろいろな時というほかありませんが、その中でも特に水場の近くでも使う機会があるなら注意が必要です。
スマートフォンは精密な電子機器であり、電気を使用する製品である以上は水の影響は避けたいもの。
今では多くのスマートフォンがある程度の耐水性や防水性能を持っており、水に対する性能をしめす規格があります。
そして、規格に合わせてスマートフォンは開発時に意図的に水にさらされる試験を受けており、中には完全に水中へ投入してもしばらくは壊れないと言う規格も存在しています。
しかし、依然として故障の原因として水の影響がある事例は少なくありません。
スマホが濡れてしまったら? Q&Aリスト
普段の使用において、スマートフォンを液体で濡らしてしまう事は避けていると思いますが、不意に起きてしまう事や、少しなら大丈夫だと思っていたが結果として水濡れの不具合を起こしてしまう事もあります。
水濡れによって起きる問題や対処法はどのようなものがあるでしょうか?
インシデント編
もっとも基本的な事になりますが、スマートフォンを水に濡らしてしまった時はさまざまな影響が発生します。
中には、水につける事や濡らす自覚がない場合でも温度や湿度の影響からスマホの内部で水濡れが起きてしまう事もあります。
水に濡れてしまった場合、スマートフォンは様々な影響を受けますが、本体に水没や液体の影響を確認する事のできる物(水没シール)が貼られている事があり、水に濡れた可能性を確認することができます。
1.一瞬水に落とした
スマートフォンでも機種によって耐水性に差があります。
耐水性(少しやある程度は水に濡れても大丈夫)や防水性(水に沈めてもしばらくなら問題無い)のある機種の場合は影響は少ない可能性があります。
すぐに引き上げ、のちに水が内部に浸透する可能性もあるため電源を切って乾かすとより良いでしょう。
2.水で洗ってもいい?
水でスマートフォンを洗浄したいと思う事があるかもしれません。
しかし、基本的には避けたほうが良いものとなり、特に耐水や防水の製品でも流水や洗剤の混じった水に対する防水性能は試験されていません。
ただし、どうしても洗浄したい場合、特に汚水やジュースがかかった時は洗う必要もあるかもしれません。
そのようなときはアルコール類(洗浄用のエタノールなど)やスマホ用クリーナーを利用するのがオススメ。
余談として、不純物の無い完璧に純粋な水(純水)は電気を通さずショートしないと言われており、工業用途では洗浄に活用されている事も少なくありません。
※水道水は様々な物質が含まれており不純物のある水としてショートの原因となります。
いずれにしても電源を切ったうえでしっかり乾燥させる必要があります。
3.お風呂で使っても……?
お風呂でスマート機器を利用する方も意外と少なくない印象です。
水場である一方、直接水に触れさせないようにして気をつければ故障しない様に考えられています。
しかし、お風呂の性質上、高い湿度や蒸気の影響に浴室と浴室外の温度差による結露は少なからずスマートフォン等にとって故障のリスクがあります。
特に、カメラは影響を受けやすく、結露や、その痕跡が写真を撮影した時などに映り込んでしまう事があります。
水の対策として、ジップロックにいれて使うという方法があります。
直接の水濡れを防ぐ事ができるため、ノーガードで使用するより安全に水場で使用ができます。
ただし、そのような場合でも温度差や湿度による結露の可能性はあるため注意してください。
4.感電の危険性は?
仮に、スマートフォンを水に落としてしまった直後、素手で引き上げるシーンであれば感電の危険性は高くありません。
一方で漏電の危険性がある場合、特にコンセントから充電ケーブルをつなげているような状態では非常に危険であり、命に関わる感電リスクがあります。
実際に事故が発生した事例もあり、風呂場や水場で使用する時、充電しながらの使用は絶対に避ける必要があります。
5.何が壊れる?
水に濡れたとき、壊れる可能性がある物はさまざまです。
スマートフォンの構造も影響しますが、液晶や基板をはじめ、カメラ、通話用マイクやスピーカー、各種スイッチ、充電ポートなど、スマートフォンの部品は殆どが影響を受けてしいまいます。
特に、開口部となる充電口やマイク、スピーカーは影響を受けやすく目詰まりやサビで使えなくなる事があり、外側にある液晶もタッチ不良といった不具合を発生させます。
内部の基板まで水が入ってしまった場合はショートや電子部品が錆びる事で最悪の場合は起動しなくなる可能性があります。
リカバリー編
水没時の対処法としていくつか話題に上がるものがあります。
中には民間療法のような物もありますが、基本的な手順を行ったのち必要にあわせてトラブルの対象を行ないましょう。
スマホのレスキュー方法は少なからず存在します。
1.乾燥させる
不意に水に濡らしてしまった時はまずは電源を切り、水気を拭き取る必要があります。
スマートフォンには充電口を始め、いくつか開口部がありますが、それぞれ下に向けて振るい落として除去します。
振るい落とした後にしばらくの間湿気をさけて放置、ドライヤーなどを使わずにあくまで自然に乾燥するのを待つのが安全な乾燥方法として推奨されます。
風圧によって内部に水が入り込む事を避ける為に自然乾燥が推奨されています。
お菓子の乾燥剤や精密機器保管用の防湿ドライボックスも活用できる可能性があります。
一方、お米を使う方法が紹介されたことがあります。
SNS等で話題となりましたが、スマートフォンメーカーより公式に否定された方法で、乾燥剤の代わりとして生米を利用するものです。
濡れてしまったスマートフォンといっしょに生米を入れて容器で乾くまで保管しておくだけですが、お米が水を吸い取るだろうというイメージから生まれたものでしたが、実際は米の細かい粒子が機器に悪影響があるとしてメーカーより注意されてしまいました。
また、そもそも生米の吸湿性はあまり高く無いという話もるため、通気性の良い環境での自然乾燥やきちんとした乾燥剤を利用する方が良いかもしれれません。
2.水抜き音
もう一つ、水ぬれ時の対処法として水抜き音というものがあるようです。
Youtube等でも水抜き音として再生用の動画を散見できますが、この音の目的としては、すべての音は空気の振動で伝わる事からスピーカーから発生する空気の音と圧によって内側から外へ水を押し出す事を狙っています。
この点でいうと普通の音楽再生でも同様の効果を得られそうですが、専用の音は低音を使用しており、低音は遠くまで届く(エネルギーが大きい)ことから音の中でも低音の方がより高い効果があるのかもしれません
実際にスマホからスピーカーで音を鳴らしている時に、スピーカー等音声用に作られた穴を触ると空気の振動を感じることができます。
もし、振動が感じられない場合はその位置にあるスピーカーが故障している可能性がありますが、音が聞こえない時には穴が汚れで埋まっていないかにも注意が必要です。
3.クリーニング
もう一つ事後でやっておきたい事はクリーニングです。
乾かすのも大事ですが、落とした場所がきれいな水ではない時は汚れを落とす必用もあります。
冬場においては鍋料理を撮影しようとして落としてしまう事もあるとか。
クリーニングとして必要性が高いものはマイクやスピーカーの穴(開口部)の目詰まりを防ぐこと。
水に落としていない場合でも通話時に顔をあてたとき、汗によってだんだん目詰まりをを起こしていく場合もあります。
ハケ(筆)やアルコールで払うことでキレイにすることができます。
ただし、簡単なクリーニングで取れないときは詳しい所(修理のお店)へお願いするのも一つの手段です。
豪快に水洗いを行った結果で水没させてしまうと元も子もないので、この点には気を付けて頂ければと思います。
修理はできる?
最後に、水没してしまった結果、スマートフォンの動作が正常ではなくなった場合。
最近のスマートフォンではある程度の水分には対策がなされていますが、それでも内部まで浸透した場合は様々な故障が起きる可能性があり、最悪の場合データの移動も難しい場合があります。
注意点として、水没ではメーカー保証も受けられないことが殆どであり、修理が可能な場合でも多くの場合は実費で負担することになります。
街中にある修理専門店に水没時の修理を依頼することも可能で、メーカー等の有償修理より安価に行える可能性も。
ただし、スマートフォンの全般的な傾向として、壊れた部品によって修理が行えるのかも分かれ、修理費用についても大きな差が生まれます。
買い替えやメーカー修理、修理業者の利用、それぞれにメリットとデメリットがあることを踏まえて修理や買い替えを検討するとよいでしょう。