スマホやパソコンを普段使っているけど、それ自体には興味があまりない方や機器としては詳しく知らない事が多いという方も少なくないと思います。
電子機器や器械について特に詳しく知らなくても使用ができる事がスマホやPCの利便性ですが、知らないままに使う結果、トラブルや失敗が起きてしまう事も少なく有りません。
特に重要なキーワードについておさらいしてみるのもいいかもしれません。
また、関係のありそうな記事がある場合、その紹介リンクも載せています。ぜひ御覧ください。
- 目次
- 1.スマホ・PC共通編
- 2.スマホ編
- 3.PC編
1.スマホ・PC共通編
スマートフォンも一種のPCのようなものであり、PCとスマートフォン両方で使える知識というのも少なく有りません。
再起動
一度起動している端末のシステムを起動し直す事です。
電源を切るシャットダウンと同じように考えられる事もありますが、内部のシステムの動作に差があるとの事で、不調時は再起動の方が良いとされます。
終了時に保存されるデータに差があり、シャットダウンでは次回起動時に向けて高速で立ち上がる様にシステム情報が保存されいるらしく、これによって動作の不良が起きる場合が有るようです。
パソコンやスマートフォンの動きが怪しいと思ったときは一度再起動を掛けると解消することが出来るかもしれません。
関連:マイクロソフトによるシャットダウンと再起動の差について(マイクロソフト日本twitterアカウント)
ストレージ
メモリーカードやUSBメモリといった記録メディアはデータの保存アイテムとして一般的。
スマートフォンやパソコンの記憶容量を指し、最近では後述のメモリと混同を避ける意味でもストレージと呼んでいる様子がありますが、使用する単位が同で有ることから意図的な冗談としてメモリ容量と混同させる事も。
当サイト関連記事:ストレージの空き容量問題の解決策は?
メモリ
ソフトやアプリを起動する時にそのデータを読み込むための作業用のメモリ容量です。
単位GBでストレージメモリと同じ単位で表示されるため混同されがちですが、役割が違う為注意が必要です。
たとえば「メモリは何GBのやつ?」という言い方がされるため、文脈に誤って答えないようにしましょう。
ハードウェアとしてのメモリは多いほど良いとされることが多いですが、実際の働きではメモリが不足する瞬間までアプリの動作等で体感出来る性能の低下はありません。
つまり、普段の使用状況で必要な量を超えてメモリを搭載してもさほど性能や使い勝手にあまりメリットがありません。
ハードウェア
SoCに始まりCPUやGPU、メモリや周辺機器までの「モノ」をハードウェアとして扱います。
物理的に存在する器械やアイテムの全般がハードウェアといえます。
形あるものは壊れる。それぐらいの割り切りも重要ですが、ハードウェアの故障は物理的に交換可能であれば修理も容易であり、器械の故障や不具合、調子が悪い時にはハードェアに原因が有るのかを確かめる事が重要です。
ソフトウェア
いわゆるシステム、ソフトウェアやアプリケーションといった物理的な形の無いものを指します。
特に、端末の調子が悪い時には物理的な故障かシステム的なエラーや不具合かを見極める事はとても重要な事です。
スマホやPCの不調でもソフトウェアに問題があることも少なく有りません。
そんなときはアップデートの実行と再起動を行い、ソフトやアプリを実行し直すのも1つの手段です。
AI(機械学習系AI)
単純にAIというと、その対象はかなり広く、多くのコンピュータープログラムがAIとして扱うことができます。
一方で、近年では機械学習の発展とその成果が注目されており、近年ではAIといえば多くの場合で機械学習(ディープラーニング)のような技術を使用したAIを対象することが増えています。
将棋や囲碁、チェスのAIがディープラーニングを活用し高い能力を発揮したことがニュースになって以降も、発展をすすめゲームにおける強さにとどまらず、広く一般的な用途で利用可能なAI(人工知能)としてChatGPTが登場して以降、文章や画像、音楽や音声といった分野やコンテンツで高い能力を発揮しており、様々な議論とともにその活用方法が模索されています。
現状のAIサービスは、サービス提供企業からオンラインを通じてAIへアクセスし、様々な指示を出して回答や成果の返信を受けとるストリーミング型の利用が一般的です。
これはAIを処理するプログラムが非常に高いコンピューター処理能力を必要とすることが背景にあります。
一方、スマホやパソコン上にダウンロードしてアプリの一つのように利用する方法(ローカルAI)も少しずつ発展しており、今後のモバイル機器が性能を高めていく中で端末内へのAI搭載も期待されています。
2.スマホ編
普段はスマートフォンしか使っていない事も多いのではないでしょうか。
スマートフォンはPCと違う点も少なく有りません。
SoC(System on a Chip)
SoCとはスマートフォンが処理や様々な機能を実行する為に搭載しているチップのことです。
パソコンではCPUやGPU、メモリと言われる物をそれぞれ個別で扱う事が多いですが、スマートフォンではこれらを一纏めにして設計している事からSoCとして言われます。
スマートフォンの性能は搭載するSoCによって決まる為、搭載するSoCが同じであれば性能は概ね等しいと考える事が出来る他、SoC間の力関係を把握する事で端末のコストパフォーマンスの良し悪しもわかります。
当サイト関連記事:ベンチマーク(iPhoneシリーズ搭載チップの性能比較)
iOS/Android
それぞれスマートフォンやタブレットといったモバイル端末に搭載される、現在主流のOS(オペレーティングシステム)
iOSはApple独自のOSであり、Apple製品でのみ搭載が行われています。
それ以外のOSとして主流となっているのがAndroidになります。
1.iOS
AppleのiPhoneやiPad、PCのMac等に搭載されるOS。定期的なアップデートが行われており、iOSを搭載する端末へのアップデートのサポート期間も長くユーザービリティも高いOSとなっています。
長期間継続的にアップデートが行われる為、セキュリティの面では非常に安全性が高くなっています。
iOS向けのアプリケーションもAppleは審査を行った後にストアで公開しており、安全性の観点でiOS端末を利用する事には一定のメリットが有ると言えます。
2.Android
iOSと対をなすOSです。オープンソース(広くアクセスしやすい状態で公開されているプログラム)をベースに開発が可能で、Googleの元で開発がされています。
自由度の高いOSであり各社はカスタマイズを行い自社製品への搭載を行っています。
たくさんのバージョンがあり、端末に搭載される場合も常に最新のバージョンとは限らず、またバージョンアップに対応する場合は最低保証回数を事前に公表している場合もあります。
各社がある程度自由に設計出来る事や広く公開されている事で採用が多くなりOSの規格化といったメリットから様々なスマートフォンやタブレット製品に採用されており、製品の選択肢も多彩です。
ただし、選択肢が多い反面として採用される製品の性能についても多種多様で、油断するとAndroidのOSバージョンが古い機種も存在するなど、求める性能や製品へのある程度の理解や妥協が必要です。
SIMフリー
ある携帯キャリア(AUやドコモ、ソフトバンク等)に縛られずにSIMカードを挿せば回線利用が可能な状態。
スマートフォンやタブレットのような携帯端末にSIMロックが掛かっていない状態を指します。
SIMロックが掛かっている端末ではAUはAUのSIM(回線)しか使用出来ない、という形で購入(契約)したキャリア以外では回線が使用出来ません。
特に中古購入や人から譲り受けた端末にSIMロックが掛かっている場合には注意が必要です。
関係記事:iPadにもSIMロックがある?
NW判定/赤ロム
ネットワーク判定。端末のIMEIと言われる番号を使用して調べる事が可能です。
これは端末を分割購入している場合重要。端末代金の支払い状況に関係しており、分割した代金の有無がわかります。
○→完済、端末料金は支払い済み。 △→支払い未完、支払を継続中。 ×→残金の未払有り。
ネットワーク判定が×となってしまうと契約(購入)したキャリア回線の利用が行えなくなる他、未払いで行っていることは「借金の踏み倒し」と同じであるため与信情報やカード会社のブラックリスト入りといった様々な悪影響を招きます。
中古ショップ等で知らずに購入してしまった場合、販売しているお店では保証として交換して貰える事が多いです。
USB/Lightning端子
周辺機器の接続やスマートフォンやタブレットへの充電で接続する端子。
マイクロUSBやMiniUSBさまざまな規格が存在していました。現在はUSB-Cへの切り替わりが進んでいます。
Appleでは長い間Lightning端子を採用していましたが、最近ではiPadでUSB-Cへの切り替わりが進んでおり、iPhoneにおいても欧州での情勢変化からいずれはUSB-Cが搭載されるものと考えられます。
規格を間違った状態で無理に差し込むんでしまうなど、故障の原因となる可能性があるため端子の規格には注意です。
関連ニュース:欧州でUSB-C義務化(外部サイト)
関連記事:イヤホンジャックのないスマートフォン
NFC・FeliCa(おサイフケータイ)
NFCとは、Near field communication の略。日本語に訳すと「近距離無線通信」となります。
スマートフォンに搭載された機能の一つで、ICチップを搭載したカードの読みとり、通信できます。
スマートフォンのタッチ決済を始め、交通系カード(Suicaのような)の他、身近な物ではマイナンバーカードもNFCの技術が利用されています。
NFCは簡単に近くの機器と通信が行える機能ですが、NFCには幾つか規格が存在しており、規格に対応していないものとは通信が行えません。
そのため、スマートフォンにおいて新製品には特に「おサイフケータイ」が使えるか、使えないか注目される事があります。
これは、海外と国内で普及している規格に差があり、開発メーカーにとって日本向けの機能として対応してくれるかどうかという事情が背景にあります。
ちなみに、iPhoneでは7以降より対応しています
耐水/防水
耐水と防水は似ているようで違うもので、使用状況や誤解によって水濡れ故障のリスクがあります。
1.耐水
耐水においては一定レベルの条件では水が掛かっても耐えられる(故障して機能喪失しない)事をしめしています。
iPhoneではある程度の水深で一定の時間水に入っても故障しないというテスト結果を示しています。
しかし、完全に故障せずとも結露や僅かな浸水による一部機能の不具合の他、スピーカーや充電に汚れがたまってうまく音が出ない、充電出来ないといった問題が起きてしまう場合があります
関連記事:お風呂にiPhoneを持っていくと?
関連ページ:AppleによるiPhoneの耐水性能リスト(Apple公式サイト)
2.防水
水密がされており、ダイビング等でも使用が可能な事が保証されています。
ただし、この場合で水深等での状況毎に規格が設定されている事が多く、使用する環境にあわせた性能レベルを把握 しておく、選択する必要があります。
3.パソコン編
現在の日本では情報通信機器として、スマートホンの普及率86%でパソコンの70%を抜いています。
(総務省による2020年時点の世帯における通信端末普及率)
統計では世帯における普及率であり、個人の所有端末で考えれば数字以上にスマートフォンが普及していると思われますしかし、業務ではPCを使用する事も少なくありません。
AppleでもiPhoneより印象は薄い物の、パソコンとしてMacシリーズを販売しています。
基本的なパソコン知識を知っておいて損は無いと思います。
OS(オペレーティングシステム〉
スマートフォンではiOSとAndroidがメジャーなOSです。
パソコンでも同様にOSがあります。OSとはコンピューターを動かすための根幹のシステムです。
パソコンではWindowsが標準的ですが、Apple製のコンピューターであるMacにはMac用OSが搭載されています。
それ以外のOSも存在していますがここでは割愛します。
OSで重要な点は、あるソフトやアプリでもOSによって対応/非対応の関係があることです。
CPU
コンピューターの基本性能を決定してしまう部品です。
スマホではSoCの中に搭載されていますが、コンピューターでは単体で取り扱う事が多くなります。
理由としてはCPU単体で1つの部品(製品)として存在しており、通常は他のGPUやメモリ等の単独の部品と組み合わせて1つのコンピューターを構成しており、このコンピューターを構成するそれぞれの部品は規格に則って組み合わせが行えます。このため、コンピューターは特に各種部品を単独で扱う事も多くなっています。
GPU
ビデオカード、グラフィックスボードとも言われる部品。
グラフィックスに関わる処理を専門的に行う部品で、CPUに組み込みで搭載されている場合も有ります。
特にMacに搭載されているM1やM2といったプロセッサにはグラフィックス用のGPUコアも強力な物が搭載されています。
単独のグラフィックスボードは高価な物は特に高価ですが低価格のものもあり、コンピューターに搭載することでモニターを同時に4枚以上搭載する事も可能な他、高画質な動画データの処理や3Dモデリング、最新ゲームの高速で定した処理といったメリットがあります。
最近ではAIの革命的な進歩と実用化が行われており、AIを動かす時にもGPUが向いているとされています。
これまでは研究やクリエイティブ製作やゲームといった限られた用途で重視されていましたが、これからは普段からGPUの性能や存在を意識する事が増えるかもしれません。
SSD
ソリッドステートドライブの略です。
電気信号を記録する形のデータを保存する記録装置で、HDDにくらべ小サイズ、大容量を実現しています。
小型化する事が可能で薄型のPCなどの小型端末にも搭載可能です。
電子的なメディアなので静音であることも大きなメリットです。
読み取りや書き込み速度も物理的に回転するディスクへデータを書き込むHDDよりも速く快適です。
端末の起動やゲームの読み込み時間で顕著に差が現れます。
メリットがたくさんあり、効果も大きい反面、一番の欠点として容量単価が高いという問題があり、最近では低価格化が進んでいますが、それでも容量と価格の比ではHDDよりも大幅に高価となっています。
※SSDはフラッシュメモリを利用した記憶装置ですが、フラッシュメモリはスマートフォンの記憶装置(ストレージ)にも 利用されており、容量あたりの価格が高いという点も共通しています。
HDD
物理的な回転ディスクに情報を書き込みデータを保存しています。
語弊はありますがDVDやCDとも近い存在と言うことが可能です。
物理的な回転するディスクへ情報を書き込む仕組みから、装置の物理的な可動が必要であり、故障や動作音と言う形でのデメリットがある一方で容量あたりの価格が低コストである製品も多く、安く大容量のデータ保存が可能です。
おわりに
各項目でもそれぞれ簡易な説明ですが予めどのような物か知っておくとスマートフォンやPCの買い替えや取り扱い、特にトラブルの対処に役立つ事があります。
気になった項目は一度調べて知見を深めるのも面白いかもしれません。
特にハードウェアに関する部分は製品の購入後に使い勝手や満足感に大きく関わる場面も有るので抑えておくと役立つ機会も多くなると思います。
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文:玉谷